2018 年 30 巻 2 号 p. 98-106
目的:セルトリズマブペゴル(CZP)は関節リウマチ(RA)の治療薬として承認された生物学的製剤である.CZPは従来の生物学的製剤とは異なりポリエチレングリコール化され,また定常領域が除かれた抗体製剤であり従来の製剤とは薬物動態が異なることから高い組織移行性や治療効果が期待されている.他の製剤と比べて発売からの年数が比較的浅いことから,CZPの治療効果や継続率等については更なる検討を要する.対象・方法:当科でRAと診断されCZPの投与を行われた患者におけるCZP投与後の臨床経過を後ろ向きに評価した.結果:2012年12月から2017年2月までに10例(女性8例, 男性2例)のRA患者でCZPが開始された.うち8例が有害事象を認めることなく24週まで投与継続された.24週時までCZPを投与継続し臨床経過を追うことができた患者群では平均DAS28CRP 3.40(0週)→2.66(24週)と改善を認めた.CZP以外のTNF阻害薬投与歴のある6例のうち4例はいずれも12週の時点で疾患活動性の低下を認めたが,他の2例は開始から12週以内に有害事象の出現のため中止された.結論:今回の検討では他のTNF阻害薬の投与歴がある症例においてもCZPの有効性が期待できる一方,有害事象も比較的早期に生じる傾向が示され,CZP開始後早期は疾患活動性評価のみならず有害事象発現への注意も必要と考えられた.