臨床リウマチ
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原著
高齢関節リウマチ患者の実態調査
西山 進相田 哲史吉永 泰彦宮脇 昌二當間 重人
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2019 年 31 巻 4 号 p. 285-293

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抄録

【目的】高齢関節リウマチ(rheumatoid arthritis: RA)の実態を調査した.

【方法】The National Database of Rheumatic Diseases in Japan(NinJa)に登録された当科のRA患者852(男157,女695)名のデータを二次利用して調査を行った.

【結果】高齢RA患者は腎機能低下が進行し,methotrexate(MTX)使用率,量ともに低値であった.75歳以上の高齢RAはステロイド使用率が高かったが,ステロイド量は年代と無関係に平均5mg/日以下の低用量に抑えられていた.生物学的製剤は若年者と高齢者で使用率に差がなかったが,高齢患者はtumor necrosis factor(TNF)を標的としない製剤の割合が多かった.75歳以上の高齢RAのうち60歳以下で発症した患者は60歳を超えて発症した患者よりも罹病期間が長く,身体機能の低下が顕著であった.

【結語】腎機能低下がMTX低使用と関係し,罹病期間が長い高齢RAは身体機能低下が進行していた.

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© 2019 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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