臨床リウマチ
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原著
関節リウマチ外来患者の満足度と関連因子
髙邑 小百合篠田 晃一郎多喜 博文
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2020 年 32 巻 1 号 p. 21-29

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抄録

【目的】関節リウマチ(RA)患者満足度評価尺度として,1992年にJ. Hillらによってリード満足度調査票(LSQ)が開発されたが,本邦では未だLSQを使用した調査報告がない.今回LSQを日本語に翻訳し満足度調査を行った.同時に疾患活動性を調査し満足度への影響因子を検討した.【方法】2014年10月1日から3か月間に当院を受診したRA外来患者401名を対象とした.2015年7月27日から同年9月31日にかけて,自宅に無記名自記入式質問票を郵送し調査した.質問票は,患者属性,日本語版LSQ,疾患活動性(MDHAQ-RAPID3)の3部構成とした.【結果】有効回答率は47.4%だった.LSQを構成する6つのグループ(「全般的満足度」,「情報提供」,「患者への共感」,「医療の質と能力」,「患者に対しての態度」,「出入りしやすさと継続しやすさ」)全てにおいて5点満点中3点以上を獲得した.最も高い満足度を示したグループは「医療の質と能力」であり,最も低い満足度は「患者への共感」次いで「患者に対しての態度」であった.重回帰分析の結果,これら3つのグループに加え「出入りしやすさと継続しやすさ」のグループで,PtGA(患者全般評価)が最も満足度に影響を与える因子であることが明らかとなった.【結論】当院RA外来患者の満足度は高く,特に「医療の質と能力」には高い評価が得られたが,「患者への共感・態度」には改善が必要である.また,PtGAが低いほど満足度が高いことがわかった.

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© 2020 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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