臨床リウマチ
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原著
関節リウマチに対するゴリムマブの開始用量別臨床効果の検討
針金 健吾持田 勇一島崎 貴幸小林 直実稲葉 裕
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2020 年 32 巻 1 号 p. 48-56

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抄録

【目的】ゴリムマブ(GLM)はその臨床効果や長期安全性が報告されている一方,当施設での初期導入例,特に50mg開始例では効果不十分例も散見されたため,開始用量別の臨床効果について調査した.

【方法・対象】2011~2018年にGLM投与を開始し,3ヵ月以上経過観察可能であった 関節リウマチ72例(平均67.7歳)を対象とした.患者背景とDAS28-ESR(DAS)の推移を開始時の投与量別(50 mg群,100 mg群各36例)に調査した.

【結果】投与開始時のメトトレキサート併用率は50 mg群83.3%,100 mg群47.2%と50 mg群で有意に高く,平均用量はそれぞれ8.3 mg,7.2 mg/週で差が無かった.プレドニゾロン併用率は50 mg群58.3%,100 mg群52.7%,平均用量はそれぞれ4.4 mg,4.2 mg/日で差が無かった.投与開始時のDASは50 mg群3.80,100 mg群4.12と差を認めなかった.投与後12週,24週でのDAS寛解率は50 mg群54.9%,42.3%で100 mg群64.6%,73.9%であった.12週,24週におけるDAS変化量は50 mg群-0.75,-1.22で100 mg群は-1.48,-1.26と,12週で両群間に有意差を認めた.

【結論】投与後12週,24週におけるDAS寛解率,DAS変化量の結果から100 mg投与群が50 mg投与群に比べ早期から有効性を示す可能性が示唆された.

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© 2020 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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