2020 年 32 巻 2 号 p. 140-145
症例は38歳男性.幼少期より気管支喘息と診断されステロイド薬による治療を受けていた.5年前に両側大腿骨頭壊死の既往あり.1年前から多関節痛あり関節リウマチ疑いにて当科受診.当初はリウマチとして抗リウマチ薬による治療を開始し,一時症状の改善を認めたが,その後痛みが再燃したためMRI検査を施行したところ多数の関節に骨壊死を認めたため,喘息治療で使用されていたステロイド薬による多発骨壊死と診断した.その後ステロイド薬を漸減,中止し,骨壊死に対し保存的治療を行った.