臨床リウマチ
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原著
関節リウマチにおけるトシリズマブ患者サポートプログラム「ビリーブ」有用性の検討
深井 理知夫岩岡 誠若林 昭敬糸井 由美子横塚 千絵高橋 薫代白川 祥子志村 享子片岡 恵美高垣 優大久保 学宣佐藤 寿一片山 耕
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2020 年 32 巻 2 号 p. 146-153

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抄録

目的:トシリズマブ(以下TCZ)使用患者のサポートプログラム「ビリーブ」は2016年4月にリニューアルされ関節リウマチ関連情報誌の他に,医師が必要と判断した患者にはパルスオキシメーターが提供されている.今回,我々はパルスオキシメーターの有用性も含めた本プログラムに関するアンケートを行い,その有用性について検討した.

対象・方法:2016年4月以降,片山整形外科リウマチ科クリニックで「ビリーブ」に参加している患者を対象に同意を得てアンケート調査を行った.

結果:66名にアンケートを行った.結果は,関節リウマチの知識が増えた87.5%,不安が減った71.2%,感染症への意識が増えた74.2%,動脈血酸素飽和度(SpO2)測定で感染症に対する安心感が増えた57.1%,総合評価大変良い・良い77.0%となった.SpO2異常での対応症例は3例(5%)であった.知識の増加が平均4.17,感染症の意識増加4.10,総合評価3.98(5ポイント評価)と高い平均値を示した.

結論:本プログラムを通じた定期的な疾患関連・感染症対策情報提供が患者の知識,体調管理意識向上につながっていた.また,SpO2定期測定により感染症の早期スクリーニングに繋がった事例も報告され,TCZ使用患者に「ビリーブ」は有益なサポートプログラムであると考えられた.

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© 2020 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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