臨床リウマチ
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原著
実診療におけるトシリズマブ皮下注の投与期間短縮─短縮後の延期も含めてベストユースの検討─
村田 美紀吉原 良祐上藤 淳郎中川 夏子田中 泰史塩沢 和子
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2020 年 32 巻 3 号 p. 194-200

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抄録

目的:実臨床での関節リウマチに対するトシリズマブ皮下注(TCZ-SC)短縮投与の状況を調査した.

対象・方法:当院リウマチ膠原病センターで2018年度にTCZ-SC短縮投与を受けた患者を対象とし,TCZ-SC投与間隔の短縮前と短縮後約8週時でのmatrix metalloprotease-3(MMP-3),C-reactive protein(CRP),赤血球沈降速度(ESR),患者による全般的評価(PtGA VAS),modified health assessment questionnaire(mHAQ),clinical disease activity index(CDAI)を後向きに検討した.

結果:TCZ-SC短縮投与を受けた患者は11例.3例は十分な効果が得られたのちに,2週間隔投与にもどしても,その効果は維持されていた.短縮投与によりステロイドを減量,中止できた例もあった.またTCZ-SC短縮投与によってMMP-3は統計学的有意に低下しており,その他の臨床パラメータも改善がみられた.

結論:TCZ-SC短縮投与は生物学的製剤の切り替えの前に試みる価値のある有効な治療として考えられ,また短縮後にもとの投与間隔にもどすことができる可能性も示された.

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© 2020 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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