2022 年 34 巻 2 号 p. 128-136
【背景】当院は地域医療支援病院として地域の医療機関から紹介患者を受け入れてきたが,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は外来診療に影響を及ぼした.
【方法】2018年1月から2021年3月の間に当院リウマチ膠原病センター整形外科を紹介初診した508名を対象として,2020年2月までのCOVID-19流行前と,流行開始後に分けて初診日,紹介目的,当院での治療内容を調査した.
【結果】1診療日あたりの初診数は流行前0.98人,流行後0.53人と有意に減少した(p < 0.01).紹介目的では診断確定・初期治療目的が63.9 %から52.4 %へ有意に減少した(p=0.03).一方,手術目的は流行前後とも約20 %と変化を認めなかったが,部位別には下肢大関節が34.6 %から56.0 %へ増加し(p=0.03),上肢が38.5 %から12.0 %へ減少した(p=0.01).前医または当院で関節リウマチと診断された例に対する薬物治療は,流行前後でメトトレキサート,生物学的製剤ともに導入した割合に差がなかった.
【結論】紹介数は流行後に有意に減少し,患者が受診控えをしていた可能性が考えられた.手術部位では一般的に待機困難な下肢大関節の手術が増加し,待機可能な上肢の手術が減少した.一方薬物治療は流行前後で有意差はなく,必要な治療は従来通り行われていたと考えられた.