2023 年 35 巻 3 号 p. 115-121
乾癬性疾患は全身性炎症性疾患であり,脂肪肝炎をはじめとして皮膚・筋骨格以外にもさまざまな病態を合併する.特に乾癬性疾患では心血管疾患による死亡リスクが高く,乾癬性関節炎では尋常性乾癬と比べても有意にそのリスクが高い.付着部炎は患者報告アウトカム(PRO)として反映され,乾癬性疾患患者のQOL障害に大きく関与しているが,現状で十分に評価されているとは言い難く,今後もその評価は難しいと考えられる.こうしたこともあって今なお乾癬性疾患の治療満足度は低く,より早期からの積極的な全身性治療介入が望まれる.乾癬性疾患にはいくつかの治療リコメンデーションがあるが,最終的な治療薬選択は医師に委ねられている.IL-23阻害薬は皮膚病変や付着部炎に対する有効性だけでなく,末梢関節炎においても比較的高い有効性を示しており,バランスが良いことに加えて,長期マネジメントに有用性が高く,近年では乾癬患者の乾癬性関節炎発症抑制の可能性も報告されており,早期から検討すべき薬剤と考えられる.