臨床リウマチ
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総説
関節リウマチ治療におけるJAK阻害薬と感染症
藤井 隆夫
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2023 年 35 巻 3 号 p. 122-130

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抄録

 本邦では5剤のJAK阻害薬が使用できるが,現在までトファシチニブとバリシチニブについては6か月観察時の製造販売後(全例)調査が終了し報告された.感染症は開始後比較的短い期間で発現することが多いため,これら2剤については感染症に関する本邦のエビデンスが確立したと考えられる.その結果,日本リウマチ学会で示されたガイドあるいは使用の手引きに準じて使用することで生物学的抗リウマチ薬に比し重篤な感染症の頻度は必ずしも増加しないと考えられるが,帯状疱疹の発現は高頻度である.そしてそのリスク因子として高齢,グルココルチコイドの使用,帯状疱疹の既往などが世界的にも示唆されている.重篤な感染症においてはリンパ球数にも注意する必要がある.リウマチ医は,これらのリスク因子に留意しながらJAK阻害薬を開始する適切な患者を選択し,もしグルココルチコイドが使用されている場合には減量中止を心がけること,また肺炎球菌ワクチンや帯状疱疹ワクチンを積極的に考慮することで,感染症の重症度および頻度の抑制に心がけるべきである.

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© 2023 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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