2024 年 36 巻 2 号 p. 114-130
目的:関節リウマチ(RA)患者の高齢化に伴い,高齢RA患者に対しても生物学的製剤やヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬を使用する機会が増えている.その作用機序や全例調査結果などから高齢RA患者に使用される機会の多いアバタセプト(ABT)の使用状況について解析し,また血中半減期の短さなどから同じく高齢RA患者に使用されてきたエタネルセプト(ETN)と比較検討する.
対象・方法:2010年7月から2018年3月に新潟県立リウマチセンターおよび旭川医科大学病院でABTを導入した241例のRA患者のうち,導入時の年齢が65歳以上であった143例を対象に,24か月を最終評価時として有効性や安全性をretrospectiveに解析した.また2008年5月から2018年3月に同院でETNを導入した463例のRA患者のうち,導入時の年齢が65歳以上の170例と,プロペンシティスコアマッチング(PSM)法を用いて解析し比較した.
結果:65歳以上でABTを導入した患者の平均年齢は75.4±6.2歳で,疾患活動性スコアはいずれも有意に改善を認め,継続率は80.4%であった.PSM法を用いて解析したETN群との比較では,ABT群で疾患活動性,PSL減少量,継続率が有意に優れていた.
結論:65歳以上の高齢RA患者においてABTは有効な治療手段であり,ETNと比べ疾患活動性の改善が有意に優れていた.