2024 年 36 巻 3 号 p. 167-175
目的:日本人関節リウマチ(RA)患者でのエタネルセプト(ETN)電動デバイス(クリックワイズ®)の有用性を検討する.
方法:クリックワイズ®を使用中であった11例でアンケートを行い,各調査項目について,1から5点までを記録してもらい,満足度を調査した.
患者:平均年齢は63.0±11.0才,平均罹病期間は17.9±5.03年であった.プレドニゾロンとメトトレキサートの平均使用量はそれぞれ0.48±1.21mg/日と,4.64±4.13mg/週であった.5例がバイオナイーブ患者,5例がバイオスイッチ患者であり,1例はJAK阻害薬,その後バイオにスイッチしてからETNへのスイッチ患者であった.ETNの使用量は,10例が50mg/週,1例が25mg/週であった.クリックワイズ®使用前は,9例がシリンジ製剤を使用しており,2例がペンタイプのオートインジェクターを使用していた.
結果:63歳女性患者(シリンジ製剤25mg/週)はクリックワイズ®を中止し,シリンジ製剤を再開した.10例はクリックワイズ®の使用に満足し継続している.11例の満足度スコアの平均は4.1±1.1点であった.
結論:クリックワイズ®は従来製剤から切り替えた11例中10例で好まれたが,さらに症例数を増やした検討が必要である.