2024 年 36 巻 3 号 p. 203-212
目的:関節リウマチ(RA)は関節滑膜をターゲットとする全身性自己免疫疾患であり,炎症が強ければ体重減少,食欲不振といった全身症状を伴う慢性消耗性疾患となる.そこで,フレイル及びプレフレイルのRA患者において食習慣,体格,身体機能等を調査し,これらの関連を検討した.
対象・方法:フレイル進行予防目的で当院に入院となったRA患者71例(平均年齢80.9歳,男性14例,女性57例)を対象に食習慣スコア,栄養状態,肥満度,骨格筋量,骨密度,筋力,身体機能等について各項目間の相関を調べた.
結果:controlling nutritional status(CONUT)と%young adult mean(YAM)において,半数以上の患者は正常域から外れていた.食習慣スコアとCONUTの間には弱い負の相関が,CONUTとbody mass index(BMI)には負の相関がみられた.%YAMとBMIには弱い正の相関が,%YAMとskeletal muscle mass indexには正の相関がみられた.フレイルとプレフレイルの比較では,握力,歩行速度等で有意な差がみられた.
結論:フレイル及びプレフレイルのRA患者では,栄養状態を良好にすることが重要で,そのために食事バランスを整えることが大切であることが示唆された.管理栄養士は患者の栄養状態の低下を防ぐために食事の面から患者をサポートする必要があるように思われた.