2024 年 36 巻 4 号 p. 244-250
乾癬性関節炎(psoriatic arthritis: PsA)は,関節リウマチ同様にQOLの低下と関連し,診断の遅れは進行性の関節破壊や長期的な身体障害を引き起こす.早期診断には,PsAの主要な臨床的特徴を熟知する必要があり,PsAの患者の85%に見られる皮膚や爪の病変の評価に加えて,末梢および体軸関節症状を考え病歴聴取や身体診察,適切な画像診断に精通していることが必要である.また,治療を行うにあたり,治療薬の進歩にともなうT2T治療戦略,特に患者個々に疾患活動性(体軸関節病変含む)や患者背景(合併症有無)を踏まえ,医師と患者で十分話合って治療指針を決定すべきであり,生物学的製剤を含めた,薬剤特性を踏まえ適切な薬剤を選択できる必要があり2023年にアップデートされたEULAR治療推奨をもとに解説を行う.