2025 年 37 巻 2 号 p. 112-122
【目的】2022年に米国リウマチ学会と欧州リウマチ学会よりANCA関連血管炎の新たな分類基準(2022年ACR/EULAR分類基準)が提唱された.顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis, MPA)と多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis, GPA)は人種差が大きく,本邦における本分類基準の妥当性について検討した.
【方法】2003年4月から2022年9月までに東京大学医学部附属病院でMPAまたはGPAと診断された症例を対象とし,診断について後方視的に検討した.
【結果】2022年ACR/EULAR分類基準のEuropean Medicines Agency(EMA)アルゴリズムと38/67例(56.7%)で一致していた.EMAアルゴリズムでGPAと分類された19例のMPO-ANCA陽性例のうち,14例(73.7%)がMPAに分類変更となり,3例(15.8%)がGPAに分類され,2例(10.5%)はMPAとGPAの双方の基準を満たした.なお,分類変更例を含めて,分類基準別の再燃率に有意差はみられなかった.
【結論】EMAアルゴリズムと2022年ACR/EULAR分類基準で分類が乖離する症例は多数存在する.MPA,GPAの双方の基準を満たす症例の存在など,2022年ACR/EULAR分類基準は複数の問題点を有しており,今後更なる検証が必要である.