抄録
本研究は,金沢大学が平成2年度と18年度の2回にわたり実施した,富山県内のアルカリシリカ反応(ASR)が発生した27橋梁の実態調査の結果に基づき,ASR劣化による橋梁の経年変化と補修・補強の効果を検証するとともに,ASR劣化橋梁で使用された河川産骨材の岩石・鉱物学的特徴より,富山県のASR劣化橋梁の河川水系ごとの地域的な区分とASR劣化度による対策の階層化を試みたものである。さらに,富山県のASR劣化橋梁にて実施した対策の問題点を明確にすることにより,富山県の反応性骨材に対応したASR抑制対策とASR劣化橋梁の維持管理への提言を行ったものである。