本研究では,解体コンクリート中のセメント水和物の炭酸化によるCO
2の固定について検討した。モルタル片およびコンクリート片を用いた曝露試験を行って,粒径や曝露条件がCO
2の固定に及ぼす影響を調べ,粒径が小さく,乾湿を繰り返した場合に,CO
2の固定が著しく速くなることを示した。また,複数の中間処理工場から入手した再生砕石RC40の試験結果より,コンクリート塊を破砕して得られた1tonのRC40が結果的に固定しているCO
2量を11kg-CO
2程度と推定した。この結果をもとに鉄筋コンクリートのLCCO
2を試算すると,CO
2の固定量を考慮した場合はしない場合に比べて5.5%程度LCCO
2が小さくなり,LCCCO
2を試算する場合には,解体コンクリートによるCO
2の固定量を考慮した方が合理的なことがわかった。
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