2018 年 29 巻 p. 63-73
鉄筋コンクリート造柱,梁,耐震壁のせん断強度の算定には,コンクリートの圧縮ストラットとその有効圧縮強度を用いることが主流となりつつあるが,接合部に関しては実験の分析より導いたせん断強度時平均せん断応力度に有効水平断面積を乗じる手法を用いることが多い。これは,接合部内の圧縮ストラットの形状を定められないことに起因していると思われる。最近では,接合部の破壊は曲げ破壊であるとし,理論的な精度の良い算定法が提案されているが,設計で用いるにはやや複雑である。この背景を受け,接合部せん断強度の半理論的な算定法を考案した。