道路橋床版の上面増厚材としてUHPFRCを使用した場合のひび割れ後の防水性を検討した。曲げ応力作用時のひび割れ特性,特にひび割れ後のひずみ硬化域でのひび割れ拘束能力に着目して,静的曲げ試験,曲げ疲労試験,防水試験を実施した。鋼繊維を容積比3%混入することで,顕著なひずみ硬化挙動がみられ,静的曲げ試験ではひずみレベルで1000μ程度までひび割れが視認できなかった。また,曲げ応力15~20N/mm2を480万回載荷した疲労試験後において,ひび割れ幅が0.07mm程度に拘束できることを確認した。このひび割れ幅のレベルでは,自己治癒剤によりほとんどのひび割れが治癒し,防水性が確保できる可能性を示した。