抄録
韓国品種短葉と黄金ならびに日本品種エンレイを1/5000aワグネルポットに播種し, 人工気象室で育てた.出芽後30日から断水処理を行い, その後における土壌水分の欠乏が光合成速度, 蒸散速度ならびに気孔伝導度の日変化にどのような影響を及ぼすかを調査した.断水処理2日目から上記3測定項目について, 9時30分より16時30分までの日変化をみたところ, 3者それぞれ朝刻で高く夕刻にかけて低下した.このパターンは断水処理日数が進んでも同様であったが, 土壌水分が34%に低下した5日目から朝刻の最高値が低下した.光合成速度と蒸散速度は夜間の吸水によって回復したが, その回復程度は土壌水分が減少するほど鈍化した.水利用効率(光合成量/蒸散量)は土壌水分が減少する過程で, 一時的に高まることが認められた.その最高値は土壌水分が最大容水量の34%付近で出現し, 更に水分が減少すると水利用効率は低下した.