Drug Delivery System
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特集 “DDS産業の現状と未来” 編集 : 吉野廣祐
化粧品に活かすDDSテクノロジー
五十嵐 理慧山口 葉子
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2006 年 21 巻 4 号 p. 444-452

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抄録
近年の高齢化社会においては, 抗加齢 (アンチエイジング) のための医薬品, 化粧品, 健康食品の需要が大きくなっていると同時に, 情報流通の進歩により科学的根拠に基づいた医薬品, 化粧品を求めるられるようになった. 本稿では, 筆者らの二つのナノテクノロジー (ナノエッグ, ナノキューブ) を導入した外用剤についてのデータを述べ, しみ・しわ改善のための機能性化粧品領域へのDDS技術の導入について言及する.
ナノエッグ (NANOEGG®-atRA) は, オールトランスレチノイン酸 (atRA) を無機塩でナノカプセル化したもので, NANOEGG®-atRA外用剤は, 従来のatRA外用剤に比較してatRAの保存安定性も高く, かつ薬理効果の増強がみられた. ナノキューブ (NANOCUBETM) は油, 水, 界面活性剤の特定処方によって得られたリオトロピック液晶体で, 角質の細胞間脂質に働きかけることで皮膚再生効果が得られることが証明され, 薬物フリーの新しい概念の化粧品になりうると考えられる.
以上の二つの技術は, 化粧品への応用が期待されるナノテクノロジーである.
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© 2006 日本DDS学会
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