Drug Delivery System
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21 巻, 4 号
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特集 “DDS産業の現状と未来” 編集 : 吉野廣祐
  • Mahesh V Chaubal, Theodore J Roseman
    2006 年21 巻4 号 p. 388-397
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/15
    ジャーナル フリー
    Drug delivery technologies for reformulation of parenteral therapeutics has received a lot of attention in recent years, due to significant advances in the field. There is a growing need for patient compliant dosage forms within the cancer therapeutics and biotechnology areas. Besides patient compliance, ease of administration, enhanced therapeutic efficacy, and reduced side effects, are additional factors that differentiate drug delivery products from conventional dosage forms, thus providing a competitive advantage.
    This article reviews some salient trends in the parenteral drug delivery sector, within the realms of a changing regulatory environment. Drivers to growth as well as recent advances in this field have been reviewed. Finally, challenges associated with bringing parenteral drug delivery concepts to commercialization have also been discussed.
  • 横浜 重晴
    2006 年21 巻4 号 p. 398-404
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/15
    ジャーナル フリー
    近年, 製剤研究は新薬創生の場で多くの貢献をしてきている. これは, 研究者の弛まない努力により科学的なアプローチが可能になり, 他部門の研究者や企業の上層部にわかる言葉で研究計画を話せ, またその結果が期待に応えてきたことによる. DDSは, これら企業における製剤研究者の基盤を強めるkey wordとして役立っている. 一方, 基盤の小さいDDS事業は, 一般の製薬企業の現状と同じく開発期間の長期化と開発経費の高騰により困難になっており, 商品化志向が強いspecialty pharmaに注目が集まっている.
  • 辻本 広行
    2006 年21 巻4 号 p. 405-416
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/15
    ジャーナル フリー
    薬物封入PLGAナノスフェアを種々の方法によってコンポジット化する粒子設計・加工技術を構築し, ナノDDS (経肺, 経皮, 注射, 経口など) や機能性化粧品の開発に応用している. 前者の例は, 糖尿病薬インスリンのように, 従来専ら注射剤として投与されていた薬剤の吸入製剤化や皮膚吸収性のよい経皮製剤であって, それらの製剤技術を研究受託している. 後者は, DDSを応用した, ビタミン誘導体封入PLGAナノスフェア配合の美白化粧品や, 植物抽出成分封入PLGAナノスフェア配合の新規頭皮料を商品化している.
    本稿では, 当所のDDSコンセプトを有する商品開発事例として後者の関連技術を紹介する.
  • 山下 親正
    2006 年21 巻4 号 p. 417-425
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/15
    ジャーナル フリー
    現在, 多くの蛋白質やペプチド性医薬品が主に注射剤として開発されている. これら注射剤は, 患者の立場を考慮した場合, 利便性・安全性, 痛みや注射恐怖症などの面で種々の問題点が指摘されている. 近年, その代替製剤として, 蛋白質やペプチドの吸収部位としての肺に着目した非注射剤である吸入剤の開発が盛んに行われている. このなかでもオゾン層の破壊や地球温暖化に影響を与えない環境にやさしい粉末吸入剤が注目されている.
    本稿では, 粉末吸入システムにおける現状と未来について述べる.
  • ―市場動向と技術開発―
    森田 孝広, 山原 弘
    2006 年21 巻4 号 p. 426-434
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/15
    ジャーナル フリー
    ペプチド医薬の注射に代わる投与ルートとして経鼻投与が注目されている. 経鼻投与は, 鼻腔の生理学的特徴ゆえに高いバイオアベイラビリティが期待できるものの, ペプチド医薬にとっては, 透過・酵素バリアーや粘液バリアーなどの障壁が存在し, 実用化のためにはこれらを克服しなければならない.
    最近, 筆者らは, 作用点の異なる添加剤の組合せによる吸収改善効果, および非吸水性キャリアを利用した粉末製剤化による吸収改善効果を見いだした.
    本稿では, 経鼻吸収製剤を開発するうえでの基礎に触れるとともに, 経鼻製剤の市場動向と実用化された製剤の形態面からの分析, さらには最近の筆者らの吸収改善研究について紹介したい.
  • 近藤 昭彦, 黒田 俊一, 谷澤 克行, 妹尾 昌治, 上田 政和
    2006 年21 巻4 号 p. 435-443
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/15
    ジャーナル フリー
    筆者らは, B型肝炎ウイルス (HBV) の外殻L蛋白質から形成され約80nmの平均径を持つL粒子を酵母で量産することに成功した. この粒子はウイルスゲノムを含まない中空のバイオナノ粒子であることから, 薬剤や遺伝子などを肝細胞特異的に送達 (ピンポイントDDS) する安全かつ高効率なナノキャリアとし利用できる. さらに, L蛋白質の肝細胞認識部位 (pre-S領域) を各種のターゲティングペプチドやリガンドに置き換えることで, 任意の組織・臓器に再標的化された粒子も構築できるため, 広範なピンポイントDDSへの応用が期待されている.
  • 五十嵐 理慧, 山口 葉子
    2006 年21 巻4 号 p. 444-452
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/15
    ジャーナル フリー
    近年の高齢化社会においては, 抗加齢 (アンチエイジング) のための医薬品, 化粧品, 健康食品の需要が大きくなっていると同時に, 情報流通の進歩により科学的根拠に基づいた医薬品, 化粧品を求めるられるようになった. 本稿では, 筆者らの二つのナノテクノロジー (ナノエッグ, ナノキューブ) を導入した外用剤についてのデータを述べ, しみ・しわ改善のための機能性化粧品領域へのDDS技術の導入について言及する.
    ナノエッグ (NANOEGG®-atRA) は, オールトランスレチノイン酸 (atRA) を無機塩でナノカプセル化したもので, NANOEGG®-atRA外用剤は, 従来のatRA外用剤に比較してatRAの保存安定性も高く, かつ薬理効果の増強がみられた. ナノキューブ (NANOCUBETM) は油, 水, 界面活性剤の特定処方によって得られたリオトロピック液晶体で, 角質の細胞間脂質に働きかけることで皮膚再生効果が得られることが証明され, 薬物フリーの新しい概念の化粧品になりうると考えられる.
    以上の二つの技術は, 化粧品への応用が期待されるナノテクノロジーである.
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