2010 年 25 巻 1 号 p. 46-51
HIVの発見から25年以上を経た今日においても,世界のHIV感染者数の増大はつづいており,その感染拡大阻止の切り札として期待される予防エイズワクチン開発は国際的重要課題である.これまで数々の試みがなされ,臨床試験も進められてきたが,いまだ有効性の確立したワクチン獲得には至っておらず,サルエイズモデルを中心とした基礎研究の重要性が再認識されている状況である.
本稿では,これらエイズワクチン開発の基礎研究ならびに臨床試験研究の現況を紹介し,その進展状況ならびに問題点について解説する.