Drug Delivery System
Online ISSN : 1881-2732
Print ISSN : 0913-5006
ISSN-L : 0913-5006
特集 “経口デリバリーへの新しいチャレンジ” 編集 : 山下伸二
膜透過ペプチドを利用したバイオ薬物の非侵襲的デリバリー
亀井 敬泰森下 真莉子
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 25 巻 4 号 p. 392-402

詳細
抄録
蛋白質やペプチドなどのバイオ薬物は,消化管粘膜における透過性の低さや不安定性の問題から注射剤による投与方法に制限されている.そこで筆者らは,cell-penetrating peptides(CPPs)と総称される細胞膜透過ペプチドを利用し,これらバイオ薬物の経口製剤化の実現に向けた研究を行っている.本稿では,まずCPPsを利用した近年のDDS研究動向をアップデートし,その後,蛋白質・ペプチドの消化管吸収改善におけるCPPsの応用性について筆者らの検討結果を紹介する.さらに,鼻粘膜吸収への応用性や吸収改善メカニズムについて展開し,バイオ薬物の非侵襲的投与経路におけるバイオアベイラビリティ改善ツールとしてのCPPsの有用性について示したい.
著者関連情報
© 2010 日本DDS学会
前の記事 次の記事
feedback
Top