2012 年 27 巻 2 号 p. 93-105
医療技術の進歩に伴い日和見感染症は増加の一途にある。中でも深在性真菌症は致死的な感染症でその治療はきわめて重要である。種類の限られた抗真菌薬をDDSにてさらに改良し、予後を改善することは、予後不良な深在性真菌症では最も求められる。アムホテリシンBは最も古典的な薬剤であるが、副作用のために使用が困難な薬剤であり、DDS技術の応用で脂質製剤が登場し、DDS応用が成功したモデルケースの1つと考えられる。現在も、新たな技術を駆使した様々なDDS製剤が開発、研究されている。1つでも多くの薬剤が登場することを期待する。