Drug Delivery System
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特集 “トランスポーターを利用したドラッグデリバリー” 編集:楠原洋之
アミノ酸トランスポーターを標的とした癌デリバリー
金井 好克
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2012 年 27 巻 5 号 p. 342-349

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抄録

腫瘍細胞に高発現するアミノ酸トランスポーターのうち、LAT1 (SLC7A5)は、腫瘍選択的な発現と広い基質選択性を示し、癌への薬物送達の標的トランスポーターとして好ましい性質を有している。LAT1は、抗腫瘍薬メルファランやホウ素中性子捕捉療法に用いるL-p-ボロノフェニルアラニンの腫瘍細胞への送達に与える他、PET等のイメージングプローブの送達を担う。アミノ酸PETプローブは、多くが腫瘍細胞のLAT1を標的とするが、そのなかでもFAMTのみがLAT1選択的であり、癌選択的な集積において優れている。アミノ酸ベースのプロドラッグ化も含め、LAT1への選択性と輸送活性を指標に、癌選択的な薬物デザインが可能である。

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© 2012 日本DDS学会
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