抄録
酵素処理技術の発展により、難水溶性食品中有効成分に糖を付加させ、可溶化して吸収性が向上された機能性添加剤が特定保健用食品として販売されている。これらの機能性添加剤の可溶化現象がナノクラスター形成によるものであることを解明した。水中で形成されるナノクラスターの疎水的ユニットに対して難水溶性化合物などを相互作用させ、数ナノメートルのナノコンポジットを構築させることにより、難水溶性化合物の見かけの溶解度を顕著に向上させ、特にBCS Class II化合物の吸収性向上に成功した。本稿では、添加剤のナノ集合体形成による新規の機能性微粒子調製法に関して解説する。