抄録
Drug Delivery System(DDS)技術を活用した血管内治療で、日常臨床に広く用いられているものとして、虚血性心疾患に対する薬剤溶出ステントと、肝細胞がんに対する肝動脈化学塞栓療法があげられる。末梢動脈狭窄に対する血管内治療にも近年DDS技術が臨床応用されている。その他、まだ研究段階ではあるが、脳動脈瘤などの血管拡張性病変に対しても既存の血管内治療にDDS技術を組み合わせる試みがなされている。本稿では現時点で臨床応用されているものを中心にDDS技術を活用した血管内治療について概説し、当科での取り組みも紹介する。