2018 年 33 巻 5 号 p. 397-405
メサラジン(別名:メサラミン、5-アミノサリチル酸、5-ASA)は、潰瘍性大腸炎とクローン病からなる炎症性腸疾患の第1選択薬として使用される。5-ASAの有効性は、炎症部位への薬物送達の程度によって決定されるが、それは製剤により異なる。近年、特に潰瘍性大腸炎に対する治療薬としてdrug delivery system(DDS)技術を駆使した5-ASA製剤が次々と開発されており、治療効果向上に貢献している。そこで本稿では、それぞれの5-ASA製剤の薬物動態学的特徴に着目し、製剤の有する特徴と臨床的有用性について紹介する。