抄録
DDSと聞くと内科的治療が想像されがちだが、外科領域でもDDSの需要が多く聞かれる。がん治療においても、約7割が外科手術との併用療法といわれている。本稿では、外科手術の後あるいは併用して利用可能なDDS基材について紹介する。特に、患部局所で薬物濃度を制御可能なナノファイバーメッシュについて紹介する。ナノファイバーメッシュは、薬物の種類によらず作製可能なばかりか、無機物とのコンポジットも容易なため、温熱療法可能な磁性ナノ粒子内包メッシュの作製も可能であり、その応用範囲の広がりには目を見張るものがある。