Drug Delivery System
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特集 “細胞外小胞が拓く創薬・診断技術の最前線”  編集:秋田英万
エクソソーム表面抗原に着目した新たな創薬モダリティの探索
大山 将大山吉 麻子
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2021 年 36 巻 2 号 p. 108-116

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抄録

生体内分子輸送システムを担うエクソソームは、細胞外小胞の1つであり、人類が生来備える内在性の薬物輸送システム(DDS)といえる。エクソソームはmicroRNAなどの核酸やタンパク質を含有し、分泌細胞から受容細胞へ輸送される。エクソソーム内の分子は脂質二重膜に内包されるため、核酸分解酵素による影響を受けることなく体液中に安定的に存在可能である。このため、DDSとしての利用が広く模索されている。筆者らは、エクソソーム膜表面タンパク質を認識する抗エクソソーム抗体を薬物輸送担体とし、エクソソームに随伴して核酸を送達するDDS戦略を開発した。本稿では、エクソソーム膜表面のタンパク質や脂質に着目した技術について紹介し、創薬展開への可能性を議論する。

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© 2021 日本DDS学会
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