抄録
金ナノロッドや銀ナノプレートは近赤外域に吸収バンドをもち、近赤外光を照射すれば発熱する。近赤外域の光は組織透過性が高いため、体内の金ナノロッドや銀ナノプレートを体外から加熱することが可能になる。したがって、金ナノロッドと薬物を熱に応答する何かしらのしくみで結合させれば、光照射で薬物放出をコントロールできる。また、パルス光レーザーという瞬間的に高いエネルギーをもつ光を使えば、より効果的な修飾薬物の放出ができる。薬物と金属ナノ粒子、そして、光照射を組み合わせる技術は、よりシンプルな構成で、必要なときに、必要な場所で、必要な量の薬物放出を実現する。