抄録
2019年に発生した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症の治療や発症抑制のためにさまざまな抗体医薬の開発が進められている。SARS-CoV-2中和抗体の開発で大きな障壁となるのが、スパイク糖タンパク質に変異をもつ変異株の発生と感染拡大である。またコロナウイルスは多くの野生動物や家畜、愛玩動物が保有しており、これまでにも重篤呼吸器症候群コロナウイルスや中東呼吸器症候群コロナウイルスが動物からヒトへ伝播して大きく感染が広がったケースがある。SARS-CoV-2についても動物が起源であると考えられており、今後も種を越えた伝播が発生する可能性が考えられる。これらを踏まえて、SARS-CoV-2変異株や類縁コロナウイルスに対する交差反応性に優れた抗体医薬の開発が求められる。