抄録
抗体医薬品は高い抗原特異性と構造安定性をもち、がんや自己免疫疾患治療に広く用いられている。近年、抗体薬物複合体(ADC)は高い治療効果を示す新規モダリティとして注目されているが、複雑な構造により安定性低下が懸念される。ADCの物性評価にはラマン分光法や動的光散乱法(DLS)が有効であり、ラマン分光法では高濃度製剤の構造変化や安定性を非破壊的に解析できる。DLSでは、ADC作製工程における粒子径をモニタリングでき、反応の進行や凝集状態を確認できる。これらの手法はADCの品質管理や製造プロセスの最適化に貢献する。