日本皮膚科学会雑誌
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全身性エリテマトーデスの臨床像の解析―Ⅰ,Ⅱ群分類の意義について―
盛岡 奈緒子土田 哲也上田 純嗣大路 昌孝飯島 正文紫芝 敬子小川 喜美子石橋 康正
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1991 年 101 巻 10 号 p. 1139-

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抄録

当科SLE114例を漿膜炎,腎・中枢神経症状,溶血性貧血,血小板減少の有無によりⅠ群(軽症型),Ⅱ群(重症型)に分け,それぞれの臨床所見を比較した.Ⅰ群では口腔潰瘍,乾燥症状が生じやすい以外に特異的な点はなかったが,Ⅱ群ではlivedoなど血管炎,血行障害に基づく皮疹が出現しやすく,またperipheral patternの抗核抗体,Coombs testの陽性,CH50低下等の検査所見の出現率も高かった.また,ARA診断基準中の該当項目数,ステロイド使用状況を指標とした場合,Ⅱ群はⅠ群より重症度が高いと判定された.この結果,SLEⅡ群はSLEの疾患特異性,活動性に富んだgroupと考えられ,軽症型のⅠ群と切り離して1つのsubsetとすることが可能ではないかと思われた.

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© 1991 日本皮膚科学会
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