1991 年 101 巻 10 号 p. 1139-
当科SLE114例を漿膜炎,腎・中枢神経症状,溶血性貧血,血小板減少の有無によりⅠ群(軽症型),Ⅱ群(重症型)に分け,それぞれの臨床所見を比較した.Ⅰ群では口腔潰瘍,乾燥症状が生じやすい以外に特異的な点はなかったが,Ⅱ群ではlivedoなど血管炎,血行障害に基づく皮疹が出現しやすく,またperipheral patternの抗核抗体,Coombs testの陽性,CH50低下等の検査所見の出現率も高かった.また,ARA診断基準中の該当項目数,ステロイド使用状況を指標とした場合,Ⅱ群はⅠ群より重症度が高いと判定された.この結果,SLEⅡ群はSLEの疾患特異性,活動性に富んだgroupと考えられ,軽症型のⅠ群と切り離して1つのsubsetとすることが可能ではないかと思われた.