抄録
水疱性類天疱瘡(BP)の水疱液中から,γ-interferon(IFN-γ)が検出され,免疫組織学的に病変部浸潤T細胞胞体にはIFN-γの存在を証明できることを既に報告した.このたびは,さらに,IFN-γが正常皮膚に与える影響について観察するため,正常皮膚器官培養を行って,光顕的・免疫組織学的に検討した.その結果,培養液中に高濃度のrecombinant-IFN-γ(r-IFN-γ)を添加することにより,器官培養皮膚にはBP類以のdermal-epidermal separation(DES)が生じ,表皮細胞のHLA-DR発現率も経時的に増加傾向を示した.さらにr-IFN-γ添加器官培養皮膚にて,DES部に線溶現象が認められた.以上から,BP病変部においては,刺激されたT-cellの分泌するIFN-γが水疱形成に一役を演じていると考えられる.このことは,BPでは水疱形成機序に,血清免疫反応に加えて,遅延型反応も関与していることを,示唆する.