日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
アルブチンのメラニン生成抑制作用 B16メラノーマ培養細胞による生化学的研究
秋保 暁鈴木 裕美子浅原 智久藤沼 好守福田 實
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 101 巻 6 号 p. 609-

詳細
抄録

B16メラノーマ培養細胞を用いて,アルブチンのメラニン生成抑制作用を生化学的に検討した.細胞増殖に影響のない最高濃度は5×10-5Mであった.その時,細胞あたりのメラニン量はコントロールの約39%と明らかな減少を示した.細胞内のチロジナーゼ活性も明らかな減少を示した.同様の条件下で,ハイドロキノンへの加水分解は認められなかった.また,細胞から抽出したチロジナーゼ粗酵素に対して活性阻害作用を示した.アルブチンのメラニン生成抑制作用は,メラノサイトに対する毒性作用によるものではなく,チロジナーゼ活性阻害または生合成阻害によるものと考えられる.また,この作用に対するハイドロキノンの寄与はないものと考えられる.

著者関連情報
© 1991 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top