抄録
スギ花粉飛散シーズン中に顔面の皮膚炎を生じた5例について,スギ花粉を用いたasisパッチテスト,スクラッチパッチテストそして皮内テストを施行した.症例1は唯一スギ花粉のasisパッチテストが陽性である事よりスギ花粉が原因と考えた.症例2,3,4は①asisパッチテストが陰性であるものの,スクラッチパッチテストが陽性である事②毎年スギ花粉の飛散シーズンに顔面にのみ皮膚炎が出現し,それ以外のシーズンに皮膚炎が出現しない事,③鼻炎症状の増悪とともに皮膚炎も増悪した事よりスギ花粉が原因と考えた.これら4症例は遅延型アレルギーにより発症したものと推定した.症例5は鼻症状,眼症状が同時に出現,皮膚炎の増悪とともにそれらの症状も増悪し,わずか3時間の間に皮膚炎が完成した点が特異であった.つまり3症状を突然同時に発症させる因子が出現した可能性が高く,その因子としてスギ花粉が最も考えやすい.その発症機序としてIgEを介したCutaneous late phase reactionにより発症したものと推定した.