抄録
ヘアダイにより生じたと考えられる全身汎発疹を報告する.原発巣と考えられる髪際部などの染毛剤付着部位の皮疹は,滲出傾向の強いものから痒疹を認めるもの,粃糠様鱗屑あるいは瘙痒のみ認めるものなど種々認められる.汎発疹も紅斑・丘疹・小水庖の混在する局面,鱗屑を伴う紅斑局面,浮腫性紅斑,痒疹結節など様々である.これらの症例は,パッチテストによりPPDをはじめとするヘアダイ成分で陽性を示したことおよびヘアダイの変更,中止により皮疹が軽快しているという臨床経過によりヘアダイによる汎発疹と診断した.ヘアダイ成分に高度に感作された状態の個体で,経皮吸収されたPPDなどのヘアダイ成分が血行性に散布し皮疹を生じたものと考えている.