抄録
ヌードマウス(Nu/Nu)の毛発生および毛周期における細胞動態を解析し,あわせてCyclosporin-A(CY-A)の毛組織に対する影響を検討した.Nu/Nuには生下時より毛組織が存在し,生後4日目には上皮索上方に毛断片が貯留し,毛周期を繰り返すに従い,次第に毛漏斗部が拡張する.生下時~生後27日目のNu/Nuの背部皮膚をbromodeoxyuridine(BrdU)でDNA合成期細胞を標識し,抗BrdUモノクローナル抗体で免疫組織化学的に染色した.さらに,生後6週目のNu/NuにCY-Aを経口投与あるいは背部皮膚に外用し,同様にBrdU染色しCY-Aの毛組織に対する効果を検討した.その結果,CY-AはNu/Nu毛組織のS期細胞数増加させ,成長期を延長した.より多くの毛幹細胞が作られ,毛幹径が増大することによりNu/Nuの脆弱な毛が健常になり,毛漏斗部を越えて体表外に出ることが考えられた.