日本皮膚科学会雑誌
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強皮症診断におけるポイント制診断基準案と他の診断基準との比較―合致例,非合致例についての検討―
尹 浩信藤本 学佐藤 伸一玉木 毅菊池 かな子五十嵐 敦之相馬 良直竹原 和彦石橋 康正
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1993 年 103 巻 13 号 p. 1735-

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抄録
過去に我々は,従来の診断基準では評価できない強皮症軽症例,早期例,およびRaynaud症状を主症状とし強皮症と一連の病態であると考えられるscleroderma spectrum disorders(以下SSD)に対して,ポイント制による診断法を考案し,報告した.今回このポイント制診断基準案と従来の診断基準の特徴および有用性を明確にすることを目的として,自験強皮症患者97例を対象として,ポイント制診断基準案,ARA診断基準,厚生省診断基準,厚生省score診断を用いて,各々の診断基準の合致例,非合致例を抽出し,検討を加えた.ポイント制診断基準案では11例(11.3%),ARA診断基準では17例(17.5%),厚生省診断基準では11例(11.3%),厚生省score診断では16例(16.5%)が非合致例となった.ARA診断基準,厚生省診断基準,厚生省score診断では診断基準項目中sclerodactyly 1項目のみを満足するBarnett分類type 1の症例およびpulmonary fibrosis 1項目のみを満足するsine sclerodermaの症例が非合致例となったのに対して,ポイント制診断基準案では特異抗核抗体陰性かあるいはRaynaud現象が非典型的でかつnail-fold bleeding(NFB)を欠如する非典型例が非合致例となった.また従来の診断基準(ARA診断基準,厚生省診断基準,厚生省score診断)非合致例の65%から73%はポイント制診断基準案にて合致例となり,逆にポイント制診断基準案非合致例の約半数は従来の診断基準にて合致例となった.以上の結果より強皮症の診断に際しては従来の診断基準とポイント制診断基準案を組み合わせて利用することが望ましいと考えられた.
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© 1993 日本皮膚科学会
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