抄録
75歳,男.アフロクァロンを含む8剤を半年間内服後,露光部に紅斑,浮腫が出現した.更に3ヵ月後当科初診し,同部位に白斑黒皮症が生じていた.UVBの最小紅斑量に短縮はみられず,UVA,可視光領域の光線テストは正常範囲内だった.パッチテストは,すべての内服していた薬剤で陰性だったが,光パッチテストでは,アフロクァロンのみBLBランプ(UVA領域)及びSEランプ(UVB領域)で陽性を示した.アフロクァロン以外の薬剤の内服光テストでは陰性だった.以上よりアフロクァロンによる光線性白斑黒皮症と診断した.作用波長は,紫外線領域に広くまたがっているものと考えられたが,正確な波長の同定には至らなかった.発症機序としては光アレルギー性が示唆されたが,明確に決定できなかった.