日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
アフロクァロンによる光線性白斑黒皮症の1例
中山 文明宇津木 浩一田辺 恵美子児島 孝行藤田 優
著者情報
ジャーナル 認証あり

1993 年 103 巻 2 号 p. 137-

詳細
抄録
75歳,男.アフロクァロンを含む8剤を半年間内服後,露光部に紅斑,浮腫が出現した.更に3ヵ月後当科初診し,同部位に白斑黒皮症が生じていた.UVBの最小紅斑量に短縮はみられず,UVA,可視光領域の光線テストは正常範囲内だった.パッチテストは,すべての内服していた薬剤で陰性だったが,光パッチテストでは,アフロクァロンのみBLBランプ(UVA領域)及びSEランプ(UVB領域)で陽性を示した.アフロクァロン以外の薬剤の内服光テストでは陰性だった.以上よりアフロクァロンによる光線性白斑黒皮症と診断した.作用波長は,紫外線領域に広くまたがっているものと考えられたが,正確な波長の同定には至らなかった.発症機序としては光アレルギー性が示唆されたが,明確に決定できなかった.
著者関連情報
© 1993 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top