抄録
アトピー性皮膚炎の治療はステロイド外用剤がfirst choiceである.しかし,ステロイド外用剤などの一般的な治療に抵抗性で難治性の重症アトピー性皮膚炎の存在が指摘されている.それに対して,second choiceとしてのPUVA療法を初めとする紫外線療法の有効性が報告されている.既にヨーロッパではbroad band UVBよりも治療効果を発揮する311~313nmを選択的に照射するnarrow band UVBの使用がすすめられている.難治性成人型アトピー性皮膚炎患者11例に外来通院でnarrow band UVBを照射し,その治療効果を検討した.照射前,照射10回後および20回後で患者の自覚症状による重症度の評価(Patient Score ; PS),医師による他覚的所見による評価(Clinician Score ; CS)による臨床評価を行った.照射前のPSおよびCSの平均値は,照射前を1とすると10回照射後,PSは0.727,CSは0.669と有意に改善し,併用としておこなっているステロイド外用剤のランクまたは外用量についても改善が見られた.また,末梢血好酸球数,血清LDH値および血清IgE値を測定した7例では,照射前と照射20回時との比較で,血清LDH値(照射前420IU/ml,照射20回後217IU/ml,p=0.0037)と血清IgE値(照射前12,036IU/ml,照射20回後7,812IU/ml,p=0.0006)が有意に低下した.短期観察例での評価ではあるが,難治性成人型アトピー性皮膚炎患者に対して同療法は有効である.