日本皮膚科学会雑誌
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113 巻 , 1 号
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原著
  • 相原 良子, 岡野 由利, 赤松 浩彦, 松永 佳世子, 相澤 浩
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2003/01/20
    公開日: 2014/12/13
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    14歳から17歳の思春期女子尋常性痤瘡患者65例と同年齢分布の対照健常女子38例について,卵胞期中期採血によりtestosterone(T),free testosterone(FT),sex hormone binding globulin(SHBG),dihydrotestosterone(DHT),dehydroepiandrosterone sulfate(DHEA-S),androstenedione(Δ4A),luteinizing hormone(LH),follicle stimulating hormone(FSH)を測定し,本症と血中ホルモンの関係について検討した.また尋常性痤瘡患者群はKligman分類により重症群(33例)と中等度群(32例)の2群に分け,重症度と血中ホルモンの関係についても検討した.健常群と比較して尋常性痤瘡患者では血中T,FT,SHBG,DHT,Δ4A,FSH,LH値は有意差は認めなかったが,血中DHEA-S値のみ有意の高値を認めた(p<0.001).更に血中DHEA-S値は尋常性痤瘡群の重症度に相関した(p<0.001).そこでDHEAの皮脂腺に及ぼす影響を,ハムスターの耳介より単離した皮脂腺を組織片培養して得られた脂腺細胞を用いて検討し,DHEAが濃度依存性に培養脂腺細胞の細胞増殖と脂質合成を亢進させることが判明した.以上よりDHEAが尋常性痤瘡の発症機序において,重要な役割を果たしている可能性が示唆された.
  • 前島 英樹, 嶋村 祐美, 齊藤 和美, 原田 晴美, 衛藤 光
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 1 号 p. 9-18
    発行日: 2003/01/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎の治療はステロイド外用剤がfirst choiceである.しかし,ステロイド外用剤などの一般的な治療に抵抗性で難治性の重症アトピー性皮膚炎の存在が指摘されている.それに対して,second choiceとしてのPUVA療法を初めとする紫外線療法の有効性が報告されている.既にヨーロッパではbroad band UVBよりも治療効果を発揮する311~313nmを選択的に照射するnarrow band UVBの使用がすすめられている.難治性成人型アトピー性皮膚炎患者11例に外来通院でnarrow band UVBを照射し,その治療効果を検討した.照射前,照射10回後および20回後で患者の自覚症状による重症度の評価(Patient Score ; PS),医師による他覚的所見による評価(Clinician Score ; CS)による臨床評価を行った.照射前のPSおよびCSの平均値は,照射前を1とすると10回照射後,PSは0.727,CSは0.669と有意に改善し,併用としておこなっているステロイド外用剤のランクまたは外用量についても改善が見られた.また,末梢血好酸球数,血清LDH値および血清IgE値を測定した7例では,照射前と照射20回時との比較で,血清LDH値(照射前420IU/ml,照射20回後217IU/ml,p=0.0037)と血清IgE値(照射前12,036IU/ml,照射20回後7,812IU/ml,p=0.0006)が有意に低下した.短期観察例での評価ではあるが,難治性成人型アトピー性皮膚炎患者に対して同療法は有効である.
  • 境 玲子, 相原 道子, 石和 万美子, 高橋 一夫, 大西 秀樹, 山田 和夫, 木村 博和, 小阪 憲司, 池澤 善郎
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 1 号 p. 19-24
    発行日: 2003/01/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎(以下,AD)患者における精神医学的な実態を明らかにするため,当院皮膚科AD専門外来に通院しているAD患者255例を対象に,皮膚科医と精神科医が共同で調査を行った.患者を調査期間中に初診した者124例(新患群)とそれ以前から通院している者131例(継続群)の2群に分類し,精神医学的診断に基づいて比較・検討したところ,以下のことが明らかとなった.①精神医学的診断はおおまかに4つの群,すなわち「一般身体疾患に影響を与えている心理的要因(以下,心理要因)」「適応障害」「その他の精神医学的診断(以下,精神科診断)」「診断なし」に分類された.新患群と継続群における各診断の割合は,「適応障害」で11.3%/2.3%,「心理要因」27.4%/26.7%,「精神科診断」11.3%/9.2%,「診断なし」50.0%/61.8%であり,有病率は新患群で高い傾向を認めた.②「適応障害」は新患の,またADが重症の患者に多かった.③「適応障害」では不安・抑うつなどの精神症状を認めており,精神症状が皮膚科治療にも影響を及ぼしていると考えられた.④継続群において“過去に”適応障害の病態をきたしたと考えられる症例は48.1%であった.AD患者における「適応障害」は,ADが重症の患者に多くみられることと,その縦断的な有病率の高さから,皮膚科診療の中で留意すべき重要な病態であると考えられた.
  • 境 玲子, 相原 道子, 石和 万美子, 高橋 一夫, 大西 秀樹, 山田 和夫, 木村 博和, 小阪 憲司, 池澤 善郎
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 2003/01/20
    公開日: 2014/12/13
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    皮膚科と精神科が連携して診療を行ったアトピー性皮膚炎の2症例について精神医学的な治療経過を示し,皮膚科診療におけるアトピー性皮膚炎患者の心理的介入の実際について考察を行った.精神医学的診断上,「適応障害」および「一般身体疾患に影響を与えている心理的要因」を呈する患者の心理的介入においては,①皮膚科医が「皮膚を病むことに由来する社会的汚名(stigma)」に配慮し,皮膚疾患自体をストレス因子としてとらえたうえで,患者の心理的特徴を理解すること,また,②患者が本来有する対処能力を引き出すよう,患者にかかわることが重要と考えられた.
  • 岸部 麻里, 岸山 和敬, 中嶋 雅秀, 石川 信義, 小原 雅人, 荒川 穣二, 山川 康, 飛澤 慎一, 飯塚 一
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 1 号 p. 31-36
    発行日: 2003/01/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    2001年2月から5月までの4カ月間に当科で15歳以上の麻疹44例を経験し,臨床症状・検査所見の検討を行った.年齢は15歳から41歳(平均20.6歳)で,麻疹ワクチン接種者が4例いたが,未接種またはワクチン歴の不明なものが9割以上を占めていた.臨床症状では,全例発熱を認め,咽頭痛,咳嗽,下痢,嘔気/嘔吐を認めた.Koplik斑は42例(96%)に認め,診断上有意義な所見であった.臨床検査成績について,同時期に当院小児科で経験した15歳未満の麻疹患者と比較した結果,15歳以上例で血小板減少,肝機能障害の出現を高頻度に認めた.合併症は,細菌性肺炎が1例,麻疹脳炎が1例であった.妊婦麻疹を3例経験し,2例に切迫流早産を生じたが,その後の妊娠経過は良好で3例とも出産に到り,児に異常は認められなかった.近年,麻疹感染の高年齢化やこれに伴う妊婦麻疹の増加が指摘されており,思春期・成人の麻疹感受性者に対する麻疹ワクチン接種が必要と考えた.
  • 柴田 真一, 安江 敬, 岩井 昭樹, 榊原 章浩, 長坂 徹郎, 富田 靖
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 1 号 p. 37-42
    発行日: 2003/01/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    近年,色素性腫瘍の鑑別にDermoscopyを用いた非侵襲的診断法が普及しつつある.この方法を用いて,視診で診断に迷った悪性黒色腫3例と基底細胞癌4例についてDermoscopyの所見の中で,とくにpigment networkとtreelilke telangiectasiaについて比較検討した.その結果,悪性黒色腫ではtreelilke telangiectasiaは認めず,結節辺縁にpigment networkを認め,基底細胞癌では逆の結果を得た.これらの所見は悪性黒色腫と基底細胞癌の鑑別に大変有用と考える.
  • 山田 朋子, 村田 哲, 森田 亜希, 小堀 洋一, 平賀 教子, 清澤 智晴, 大槻 マミ太郎, 中川 秀己
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 1 号 p. 43-48
    発行日: 2003/01/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    症例1,19歳,女.神経線維腫症1型(NF1と略す).1年ほど前より右小指の爪下に疼痛があり,切除.組織はグロムス腫瘍であった.症例2,37歳,女.NF1.5~6年前より左環指に,4~5年前より左母指に疼痛を認めるようになった.切除行われグロムス腫瘍であった.両症例とも,家族歴にNF1があるが,グロムス腫瘍の家族歴はなかった.非常にまれながら,NF1にグロムス腫瘍の発生の報告例があり,特に多発性に爪甲下に発生する.近年,家族性グロムス腫瘍領域VMGLOが1p22-p21にマッピングされた.NF1は17q11.2である.これまでの報告例と自験例を解析したところ,NF1に発生するグロムス腫瘍は,家族性グロムス腫瘍よりは,孤発性グロムス腫瘍の症状に類似している.NF1でのグロムス腫瘍の発生に未知のグロムス遺伝子の変異を考える意見があるが,我々は,NF1患者では,NF1遺伝子の異常そのものがグロムス腫瘍を起こしているのではないかと考えた.
  • 池田 秀幸, 大塚 俊, 栗原 みどり, 山蔭 明生, 山崎 雙次
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 1 号 p. 49-54
    発行日: 2003/01/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    多発性皮膚潰瘍と間質性肺炎を伴った皮膚筋炎の1例を報告した.53歳,女性.1999年4月頃より顔面,背部,両手背に紅斑が,2000年12月頃より乾性咳が出現し,筋症状は認められないが2001年3月頃より両肘頭部,両肩甲部,両膝蓋部にポケット状の大きな皮膚潰瘍が生じた.検査所見では,KL-6が高値以外特に異常所見はみられなかった.左頬部の紅斑部の組織所見では軽度液状変性,真皮上層に浮腫を認めた.プレドニゾロン内服,高圧酸素療法,ポケット切開術,basic fibroblast growth factor(フィブラストスプレー®)外用,植皮術を施行し皮膚潰瘍は軽快した.同様に皮膚潰瘍を伴う皮膚筋炎を文献的に考察した.皮膚潰瘍を伴う皮膚筋炎は,一般成人皮膚筋炎に比べ女性に多く,間質性肺炎の合併率が高いが悪性腫瘍の合併率は低かった.
  • 新垣 肇, 上里 博, 武居 公子, 平良 清人, 細川 篤, 仲宗根 勇, 山根 誠久, 野中 薫雄
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 1 号 p. 55-61
    発行日: 2003/01/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    87歳,女性.初診半年前から左前腕に紅斑があり,ステロイド軟膏外用療法を受けたが皮疹は悪化した.病理組織学的に酵母様真菌を認めたが,培養が不成功のため病因真菌の同定はできなかった.そのためPCR法とシークエンス解析法を使用して皮膚クリプトコックス症の確定診断を行った.PCR法に用いた検体はCryptococcus neoformansC. neoformans)の国際標準株2株,AIDSに合併したクリプトコックス髄膜炎患者髄液から分離培養された2株,皮膚クリプトコックス症疑いで培養陰性の病変部皮膚凍結組織1検体,同パラフィン包理組織1検体,肺アスペルギールス症疑いで髄膜炎を発症し,その髄液よりC. neoformansが墨汁法により検出された髄液1検体,AIDSに合併した肺クリプトコックス症の肺パラフィン包理組織1検体,計8検体である.PCRの結果,皮膚クリプトコックス症疑いの2検体にも416bpの陽性バンドが得られた.またシークエンス解析の結果,C. neoformans(Accession NO. AF356652)と100%の相同性を認め,C. neoformansと同定した.
学会抄録
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