日本皮膚科学会雑誌
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原著
クリンダマイシン(ダラシン)による血管炎型薬疹の1例
横井 祥子新関 寛徳浅田 秀夫宮川 幸子
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ジャーナル 認証あり

2005 年 115 巻 2 号 p. 151-155

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抄録

34歳男性.平成15年6月中旬より感冒様症状が出現.近医内科にて6月26日と翌日にそれぞれクリンダマイシン600 mgを点滴された.2回目の点滴直後より気分不良となり,30分~1時間後には両手掌,足底に指頭大の紫斑が散在性に出現した.その後全身に米粒大~小豆大の紫斑が多発したため6月30日に当科を受診.右大腿伸側の紫斑からの皮膚生検により,真皮上層に血管内皮細胞の膨化と好中球の浸潤,核破砕像を認めた.安静と止血剤の投与にて紫斑は消褪した.パッチテスト,皮内反応,DLSTは陰性であった.クリンダマイシンの内服テストを施行したところ,150 mg内服24時間後より両足底に皮疹の再現を確認したため,クリンダマイシンによる血管炎型薬疹と診断した.クリンダマイシンにより血管炎型薬疹を生じた過去の報告は,本邦では未だなかった.

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© 2005 日本皮膚科学会
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