抄録
柔道及び相撲部員に発症した体部白癬5例と頭部白癬2例を報告する.症例1はA高校柔道部員で2003年5月に体部白癬を生じた.症例2,3はB高校柔道部員で2004年3月,各々ケルスス禿瘡,体部白癬に罹患した.A高校とB高校は同一県下の柔道部でしばしば練習試合を行っていた.症例4,5はC相撲道場に通う選手で各々2004年3月と6月に体部白癬を生じた小中学生.C相撲道場はA高校相撲部と合同練習することがあった.症例6,7はA高校相撲部員で2004年6月,各々頭部白癬,体部白癬がみられた.これらの白癬の原因菌はKOH直接鏡検,真菌培養所見,PCR-RFLP法よりTrichophyton tonsuransと同定された.本菌は部員間の接触及び格闘技選手間の交流により感染が拡大した可能性が示唆された.相撲選手での感染は,これまでに報告がなく,今後さらなる感染の拡大を防ぐために対策が必要である.