抄録
50歳,女性.39歳時に,Raynaud現象,皮膚硬化,肺線維症が出現.近医にて抗topoisomerase I抗体,抗U1-RNP抗体が陽性の全身性強皮症と診断され,48歳時当科初診.肺は,すでに蜂窩肺の状態にあり,徐々に右室圧が上昇したため,ベラプロストナトリウムなどの内服や酸素吸入を行ったが,労作時の息切れが増強傾向にあった.今回入院時,ドップラー心エコーによる推定収縮期右室圧が54 mmHg,平均肺動脈圧は26 mmHgに上昇し,6分間歩行は342 mであった.肺線維症に伴う肺高血圧症に対して,ボセンタン125 mg/日の内服を開始したところ,労作時の息切れが軽減し,心エコーによる推定収縮期推定右室圧が30 mmHg,推定平均肺動脈圧は24 mmHgと著明に低下した.6分間歩行も389 mと延長したことから,ボセンタンが著効したものと考えた.