日本皮膚科学会雑誌
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原著
塩酸バンコマイシン誘発性線状IgA水疱性皮膚症の1例
山中 滋木杉原 昭堀尾 武
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2006 年 116 巻 14 号 p. 2285-2290

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抄録

82歳,男性.膀胱腫瘍に対し膀胱全摘除術及び尿路変向術を施行後,MRSA敗血症を合併したため,塩酸バンコマイシンの点滴投与を開始した.投与14日目に体幹を中心にびまん性紅斑が出現し,同16日目には紅斑上に多発性緊満性水疱も認めた.病理組織学的には,表皮下水疱で真皮乳頭に好中球及び好酸球浸潤を認め,蛍光抗体直接法にて基底膜領域にIgA線状沈着を認めたため,線状IgA水疱性皮膚症と診断した.塩酸バンコマイシンが原因薬剤として疑われたため,これを中止し,抗アレルギー剤内服及びステロイド外用を開始したところ,約2週間で軽快した.これらの経過から塩酸バンコマイシン誘発性線状IgA水疱性皮膚症と考えられた.

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© 2006 日本皮膚科学会
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