日本皮膚科学会雑誌
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原著
右頬部に皮下結節を生じた筋サルコイドーシスの1例―Positron emission tomography(PET)が診断上有用であった症例―
斎藤 佑希長谷川 稔村田 朋子中條 園子石井 貴之松下 貴史藤本 晃英折戸 秀光高倉 大匡竹原 和彦
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2006 年 116 巻 14 号 p. 2273-2278

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抄録

50歳男性.初診4カ月前より右頬部の皮下結節を自覚.氷見市民病院でのMRIの所見にて悪性腫瘍を否定できなかったため,positron emission tomography(以下PET)を施行された.PETにて右頬部および四肢軟部組織に多発する高集積像を認め,その分布からサルコイドーシスなどの肉芽腫性疾患を疑われて金沢大学医学部附属病院に紹介された.右頬部皮下結節の生検病理組織では,類上皮細胞からなる非乾酪性肉芽腫が認められた.他にサルコイドーシスの症状や臓器病変はみられなかったが,右腓腹筋の無作為生検を施行したところ,右頬部と同様の類上皮細胞性肉芽腫が認められたため筋サルコイドーシスと診断した.PETにて四肢の軟部組織に認められた高集積は肉芽腫性炎症を早期に捉えたものであり,PETがサルコイドーシス診断の一助となる可能性があるものと思われた.

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© 2006 日本皮膚科学会
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