日本皮膚科学会雑誌
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原著
リベドを認めた患者33例についての臨床・病理組織学的検討
石黒 直子
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2006 年 116 巻 3 号 p. 311-318

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抄録
1997年7月から2004年8月までにリベドを主訴として当科を受診し,皮膚生検を施行した33例について,臨床・病理組織学的に検討した.男女比4:29,平均発症年齢は42.6歳で,20~59歳が約7割を占めた.皮疹の分布では下腿が多く,足,前腕,大腿と続いた.皮疹の性状は,全例,環は閉じず,樹枝状,楔状,線状,類円形の紅斑もしくは紅褐色斑を呈していた.病理組織学的所見で,主体が血管炎であったものが13例,主体が血栓・塞栓像であったものが14例,血管炎,塞栓像とも同程度に認めたものが1例,血管炎,塞栓像とも認めなかったものが5例あり,その病態としては大きく,血管炎によるものと血栓・塞栓像によるものに分類された.また,関節リウマチに伴うリベドは上肢や躯幹にも分布するのを特徴とし,コレステロール結晶塞栓症や抗リン脂質抗体症候群では下肢のみならず足や足趾にもリベドを認める例がほとんどであった.関節リウマチや一部の膠原病に伴うリベドでは他の臨床所見を,コレステロール結晶塞栓症では患者背景を加味すると,臨床診断が比較的容易と思われたが,その他においては必ずしも初診時診断と精査後の診断は一致しなかった.以上より,リベドを診た場合,リベドは症状としてとらえること,最終的には病理組織学的に病態の把握をし,精査によってリベドの基礎にある疾患を検索することが最も重要と考えた.
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© 2006 日本皮膚科学会
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